約 3,258,170 件
https://w.atwiki.jp/83452/pages/6080.html
ピッ コトッ 澪「ふーっ(ムギに話したら楽になったな)」 澪(ほんとムギには感謝しなきゃ…) 澪(ムギは応援すると言ってくれたけどやっぱ私の問題だもんな…) 澪(何時までも人に頼ってばかりじゃダメだ!) 澪(いよっし!明日からまた部活がんばるぞー!おー!) チチチチッ チュンッ チュンッ 澪「行ってきます!」 澪ママ「いってらっしゃい」 澪「今日はちゃんといるんだろうな…」スタスタ 澪「!!」ハッ 律「おっ!」 律「おっす!澪」ヨッ 澪「は、早いな 律らしくもない」 律「そろそろ女として一皮むけようと思ってなー」キリッ 律「まあ今でも十分いい女だけどな!」チラッ 澪「はは…は」 律「…(殴ってこない?)」 律「一体どうしたんだよ澪!」 澪「なっ 何がだよ」ビクッ 律「いつものツッコミはどうしたんだよ 澪こそ澪らしくない」 律「いつもバシーン!と殴ってくれるじゃんか」 澪「そ、そんな私を暴力振るうやつみたいに言うなよ…」 律「なんか澪おかしいぞ?どっか具合でも悪いのか?」 澪「私はいつも通りだよっ!!」バッ 律「!」ビクッ 澪「あ…」 澪「ご、 …いいから学校急ぐぞ!」タッタッ 律「うん…」テクテク スタスタ 澪(ダメだっ!昨日心に決めたのに!!ムギに勇気貰ったのに!!) 澪(実際に会うとどうしても律と自然に接する事ができない…) 澪(ましてや殴るなんて 律には彼氏がいるのに) 澪(私なんかが殴って、もしも律に何かあったら…) 澪(…あれ?じゃあ彼氏がいなければ殴っていいのか?) 澪(私は何を考えてたんだ?今まで律に何をしてきたんだ?) 澪(律は弱かった私を助けてくれた なのに私は?) テクテク 律(ったく、機嫌悪いな澪…) 律(まだ隠し事してたの怒ってんのか?) 律(昨日の夜忘れずにメールしときゃよかったぜ) 律(それにしたって様子が変だよな…) 律(ホントに具合が悪いのか?) 律(それとも先に彼氏つくった私に嫉妬してるとか!?) 律(冗談言ってる場合じゃないよな なーにが一皮向けるだよ!!) 律(澪と何年一緒にいると思ってんだ馬鹿律!なんで澪の事がわかってやれないんだ!) …… 紬(私、昨日は澪ちゃんの力になれたのかな…) ガラッ 紬「!(あっ!一緒に来てる!)」パアッ 紬「澪ちゃん、りっちゃん、おはよう」 澪「お、おはよう…」ズーン 律「おはよう、ムギ」ショボン 紬(あ…れ?2人とも元気がない?) キーンコーンカーンコーン ドタドタドタドタ!ガラガラッ! 唯「セーッフ!!」ズザー 唯「あ!みんなおはよ~」 キーンコーンカーンコーン 先生「じゃあこれで1時間目の授業は終了」ガラッ 紬(どうしよう… これは2人の問題…) 紬(んーん、私は澪ちゃんを応援するって決めたんだ!)ガタッ 紬「澪ちゃん、ちょっといい?」 澪「ああ」ガタッ ガラガラッ スタスタスタスタ 紬「部室なら多分誰もこないわね」ギイッ 澪「…」バタンッ 紬「澪ちゃん…」 澪「ごめん、ムギ 私はやっぱり強い人間にはなれないっ!」 澪「朝、律にあったら自然に振る舞えなかったんだ…」ポロポロ 紬「!!」 澪「それだけじゃない!それだけじゃ… 私は嫌な人間なんだっ」グズッ 紬「あ、あ…(こんな時私には何ができるの!?)」オロオロ 澪「グズッ ウック」 紬「…(友達が苦しんでいるのに私はっ!!)」ギリ キーンコーンカーンコーン 紬「あっ!」 澪「ズズッ」 澪「ムギ、心配かけて悪かったな!このままじゃ授業遅刻だ、急ごう」 紬「う、うん」 ギイッ バタン タッタッタッタッ 澪(ムギにまでこんなに迷惑かけてっ 私は嫌な人間だっ!) 紬(友達の為に何もしてあげられないなんてっ 私は非力な人間だわ!) ガラガラッ 澪紬「すいません、遅れました!」 キーンコーンカーンコーン 唯「いやっほー!お昼だー!」ワクワク 律「お前は元気だなー」 唯「私はいつでも元気100%だよ!!」ビシッ 澪「ははは…」 紬(私にも唯ちゃんの様な明るさと人を引き付ける力があれば…) 紬(お金なんていくらあっても何の役にも立ちはしないのに!) キーンコーンカーンコーン 唯「さ~てお茶会… じゃなくて部活だ~!」 紬「それじゃあ行きましょ~(今日の練習うまくいくかしら…)」 紬(結局澪ちゃんとりっちゃん、ほとんど会話してないし) 澪「さーてがんばるかー!!!」 律「おう!!!そうだなー!!!」 紬(うう… 澪ちゃん… りっちゃん…) ジャンジャ、ジャジャ、ジャーンン 唯「う~む」ムムッ 律「あはは… 私が走っちゃったな」アチャー 紬「も、もう一度やってみましょ」アセッ 梓「いつものけいおん部って感じがしないです」ショボン 澪「私も失敗多かったよ、ごめん」ズウーン 紬(やっぱり予感してた通り~)アセアセッ 梓「でも昨日はちゃんと練習やってないですし」 律「ああ、じゃあもう一回最初からな」 紬「いよ~し!みんな気合入れていこう~!」ビシッ 唯「あはは、ムギちゃんどうしたの?」 紬「失敗続きだから力を合わせてがんばろー!って(やっぱり私は唯ちゃんみたいになれないわ~)涙」 澪(ムギー…) 律「よしっ」 カンッカンッカンッカンッ タッタッタッタッ テクテクテクテク ペタペタペタペタ スタスタスタスタ トボトボトボトボ 梓「何だか今日は全然合いませんでしたね…」 唯「う~ん、やっぱり軽音は難しいね!全然軽くなんてないよね!」アハハ 律「ははは、懐かしいなソレ」 澪「もう2年も経つのか」 紬「軽音部もあと1年ね…」 梓(いよいよ先輩達とお別れ… そんなの嫌です!) 唯(今日の晩御飯はな~にかな!) 律(結局今日澪とほとんど喋ってねえ… どうすりゃいいんだ) 澪(あと1年でみんなバラバラになるのか… 律とも…なのかな) 紬(私はどうしたらいいの?何の力になれるの?) ヴーン ヴーン ヴーン 唯「誰か携帯なってるよ~」キョロキョロ 律「あ、私だ 誰からだろ」パカッ カチカチ 律「男からかー」 澪紬「!!」 唯「へ?」 梓「誰です、それ?」 律「あれ?」 律「お前らに言ってなかったっけ?」 唯「何が~?」キョトン 律「何って、私の彼氏の事」 梓「かれし?」 澪「…」ピクッ 律「うん」 梓「ってええええぇぇぇ!!」ドッカーン 梓「そんなの初耳ですよ!てか律先輩に彼氏ですか?」 律「おいおい梓 そりゃどーゆー意味じゃコラー」グリグリ 梓「あいたたたたた!」 唯「へぇ~、りっちゃんに彼氏か~」マジマジ 律「よせやい!あんまり見るなよー 照れるだろ!」 梓「律先輩と付き合うなんて一体どこのもの好きなんですか!?」 律「梓、さっきからてめー調子乗りやがって~」 ドタバタドタバタ 澪「…」 紬(澪ちゃん…) 唯「で、なんてきたの?」 律「おっと、本文チェックするの忘れてたぜ」 梓「痛いですぅ」ヒリヒリ 律「なになに 『部活終わってますか?時間合えばちょっと一緒に寄り道しませんか?ちょうど近くに来てるんです』」 唯「おおー デートのお誘いだね!」 梓「律先輩のくせに生意気です!」ベーッ 律「ほっほう そんなのは彼氏作ってから言えやー!」グリグリ 梓「ううーっ!」 澪(律が行っちゃう…!) 紬(私にできる事は… 何も無いのね) 律「それじゃ、悪いけどお先ーっ!」ダッ 唯「じゃあね~」 梓「さよならです!」 紬「!!」チラッ 澪「あ…」 タッ ─ リツガイッチャウ ─ タッタッ ─ リツガワタシノマエカラキエチャウ ─ タッタッタッ ─ ワタシヲオイテトオクヘイッテシマウ ─ 澪「り、律!」 律「ん?」クルッ 紬「澪ちゃっ!」 澪「…」 唯「??」 梓「先輩?」 律「な、何だ、澪」 澪「…」 紬「っ!」アワワ 澪「まっ …」 澪「…じゃあな 楽しんでこいよ」 律「お、おう」クルッ タッタッタッタッタッタッタッタッ 紬「澪ちゃん!!」 澪「それじゃ私達も帰ろっか」 紬「澪ちゃん…」 …… キーンコーンカーンコーン ドタドタドタドタ!ガラガラッ! 唯「セーッフ!!」ズザー 唯「あ!みんなおは… あれ?澪ちゃんは?」 紬「…今日は休みみたい」 律「体がダルいんだってさ」 紬(澪ちゃん… やっぱり昨日の事が…) 唯「そっか~ 心配だなあ」 律「最近澪なんかおかしかったからなー」 律「やっぱ体調崩してたのかな(ホントどうしたんだよ澪…)」 先生「それで、ここがこうであるからにして~」 唯(はあ… 澪ちゃん大丈夫かなあ) 律(ツッコミがいないと調子狂うなー と言っても最近の澪はつっこんでくれない訳だが) 紬(昨日… きっと澪ちゃんはりっちゃんの事を呼び止めたかった でもできなかった) 紬(休み時間の時 澪ちゃんは自分の事を『嫌な人間』と言ったわ) 紬(何か後ろめたい事でもあるのかしら…) 紬(応援すると言っておいて結局何もできてない私の方が口だけの『嫌な人間』だわ) 先生「なので、ここはこうで~」 キーンコーンカーンコーン 唯「んん~ 疲れた!」ノビノビ 律「で、今日の部活はどうするよ?」 紬「梓ちゃんがいるかもしれないしとりあえず部室には行っておきましょう」 唯「さんせー!」タタッ 律「んじゃ梓に澪の事話して解散って所でいいか」 律「澪抜きで個人練習してもいいけど今は個人よりもみんなで合わないことが課題だしな」 紬「そうね(多分、合わないのは澪ちゃんや私のせいよね…)」 ガチャッ 唯「あーずにゃーん!」ダキッ 梓「遅いですよっ先輩方」 律「いやー今日はちょっとな」 紬「今日の練習は残念だけど…」 梓「あれ?澪先輩休みですか?」 律「ああ、だから今日の部活は休みだ」 梓「それは残念です…」ショボン 律「その代わりに澪の見舞いに行こうぜ!」 唯「さんせーい!」 梓「それはいい考えですね!」 唯「ってターイム!危ない危ない忘れる所だったよー」 紬「何を忘れる所だったの?」 唯「昨日のりっちゃんのデートの話だよ!」ビシッ 律「あ、ああ 別に大した事じゃないよ」 唯「それで?それで?」ワクワク 梓「…」ジッ 律「梓、お前もかいっ!」 律「ん、ムギは気にならないのか?」 紬「気にならないわけじゃないけど…」 律「女の子同士じゃないとダメってか?」ヒヒッ 紬「もうっ!りっちゃんったら!」プンプンッ 律「まあでも、ほんと大した事ないんだって」 律「軽くお店入って服とか見てさ、コーヒーショップでコーヒー飲んだだけ」 唯「え~… りっちゃんそれだけなの?」 律「健全なお付き合いをさせていただいてますので」キラリ 梓「つまらないです!」プスー 律「お前らは私に何を期待してたんだよ…」 律「はいはい、この話はここで終了 見舞い行くぞー」 唯「おー!」 梓「おー!」 紬「お、おー」 紬(今お見舞いに行って、澪ちゃんりっちゃんに会ってくれるかな…) ゾロゾロゾロ 4
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/13596.html
【登録タグ GUMI H miki 四重婚P 曲】 作詞:四重婚P 作曲:四重婚P 編曲:四重婚P 唄:GUMI・miki 曲紹介 この世界に生まれてきた全てのボカロファンにおめでとう!! 二人同時に歌わせてみました☆ 混ぜると…いいですね。ある意味危険です。(作者コメ転載) この曲には「GUMI ver.」「miki ver.」「ツインボーカル ver.」の3バーションがある。 イラストは なえた氏 の描き下ろし。 歌詞 HAPPY BIRTHDAY☆ Happy birthday 貴方に伝えたい せめて今日だけは 貴方のために笑ってみせて・・・ 時報とともに変わった日付 なんにもいつもと変わらないね 「おめでとう」って私が言っても 貴方はそこで俯いたまま・・・ 「こんな現実なら 生まれてきたく無かった」 なんて、こんな日に言わないで・・・ 私がずっと傍にいる・・・ I just bless you. 貴方に「ありがとう」 貴方が生まれてたから 私が此処にいられるの。 I sing for you. その夢叶うまで・・・ どこにも行けないよ 泣き虫な貴方をみてたら 50Hz の点滅の中 モニター越しに貴方は言った 「ごめんね、いつもこんな調子で」 その声はとても優しかった・・・。 イマが切なくて ここから逃げだすのなら いいよ何処へでもついてゆく 私はずっと傍にいる。 Smile for us. 私が消えるとき 貴方の笑顔を創る 記憶(プログラム)になれるかな? Happy birthday. この唄を贈るよ 来年もその次も いつまでも、いつまでも・・・ねぇ Happy birthday. lalala~♪ HAPPY BIRTHDAY☆ コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/35885.html
あまおとにつつまれて【登録タグ あ 初音ミク 曲 生活感P】 作詞:生活感P 作曲:生活感P 編曲:生活感P 唄:初音ミク 曲紹介 雨の日にぴったりカモ!早く雨振らないカマァ…? 歌詞 (動画より書き起こし) 辛いこと 忘れたいことも 全部 誰に話せばいい? uh-u 俯いてる時にAh-a いつも 君がいてくれたね 降りはじめる 雨 雨 雨が 今日の間違い 不安とか全部 世界色が 今鮮やかに 変わっていく 角度変えたら oh-o 鮮やかな彩り 町並み 足取りも軽くなる ねぇ、さっきまでの悩みも忘れて 相変わらず しきりにシトシトと 世界は 潤い高めて Ah-a 僕を励まし続けてる 背中押してくれる たまにちょっと 落ち込んじゃう時もあるけど 君を待ち続ける oh-yeah 私のこと 気遣ってるみたいに uh-u 顔出しはじめる 諦めたくない 未来 世界 夢も どうか 叶えたい願い詰め込んで 少しだけの 勇気をもらうの 歩き出す 選んだ道を yeah 新しい日々の暮らしにも 少しづつ慣れていく あぁ、うまくいかないことも多いけど それでも世界は 美しくリズムを弾ませ 街を染め上げていく Ah-a いつまでも止まらないビートで 雨音につつまれていく 世界が変わっていく ほらね 何だかちょっと微笑んで 濡れる肩 気にもしないで そっと 瞳開き直したなら 広がる 鮮やかな彩り 町並み 足取りも軽くなる ねぇ、さっきまでの悩みも忘れて 相変わらず しきりにシトシトと 世界は 潤い高めて Ah-a 僕を励まし続けてる 背中押してくれる コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kaeuta-matome/pages/2294.html
元ネタ:いつまでも友だち(ニルスのふしぎな旅 加橋かつみ) 作:ヤジオーディエンス チララララーララ チラーラララララーラ チラララララ チララララーララ いい尻なんだ チラララララ いつも電車で一緒なのさ チラララララ 柔らかそうで 触れたくなる 素敵な尻 プリケツさ 本能だよね いついついつまでも 見てたい チララララーララ チラーラララララーラ チラララララ チララララーララ いい胸なんだ チラララララ 今日もなんとかそばに立つよ チラララララ 大きくてさ 丸まっこい 美味そうなやつ 巨乳さ 本能だよね いついついつまでも 見てたい 胸でもお尻でも 楽しく見つめてる スケベな男だよ ご機嫌なのさ チララララーララ チラリと視姦 チラララララ 不埒なことを 続けているよ チラララララ 胸が好きで お尻が好き つまり女が好きなのさ 本能だよね いついついつまでも 見てたい 本能だよね いついついつまでも 見てたい チララララーララ いい尻なんだ チラララララ チララララーララ チラーラララララーラ チラララララ チララララーララ いい胸なんだ チラララララ チララララーララ チラーラララララーラ チラララララ 検索タグ その他ネタ アニメ フルコーラス ヤジオーディエンス メニュー 作者別リスト 元ネタ別リスト 内容別リスト フレーズ長別リスト
https://w.atwiki.jp/presenile/pages/216.html
嗅ぐ匂いのむこう側 窓で隔てられた緑の原に あなたが跳ね あなたの幼い娘が跳ねている ガラス一枚を隔てたガラスの部屋に 横たわっているのは 私 珈琲の 香りがどこまでも淋しい と 目を閉じて想う
https://w.atwiki.jp/for_orpheus/pages/174.html
この世界で生き続けること。 その全てを愛せるように。 ◆ 近郊農業という農業の形態がある。 業態は呼んで字のごとく、敢えて地方の大量生産地ではなく都心部の近隣に農家を構えることだ。 土地や諸経費にかかる物価高を犠牲にして、『輸送費の安さ』と『鮮度の保証』というシンプルかつ手堅いメリットを確保し、大量消費地に文字通りの意味で太く短く繋がる。 栽培される品目としては、鮮度が第一である葉物野菜や花きの占める割合が多い。そして年間を通して早く育てて速く市場に届ける要請上、ビニールハウスのように環境をコントロールできる『菜園』を確保して安定生産に励む農家も多い。 それは近現代の英霊であったとしても、まず聖杯戦争の真っ最中には活用しない知識だ。 しかし場所が場所であれば、思い出すことはある。 つまり東京都にも、特別区二十三区を出れば農地はある。 付近一帯は人家の少ない郊外で、夜になれば人目はない。 そういう立地を探したら、ビニールハウスの点在する緑色の景色に行き当たった。 ましてそれが畑の群れの片隅、封鎖された建物の屋内ともなればたいていの通行人も近寄りがたくなる。 下準備自体は、それなりにしっかりとした。 日数が経過するごとに会場外として沈んでいく市町村に、地図でバツ印をつけていく。 都市の中核と見なされる『特別区二十三区』は最後まで残ると推定した上で、『もうすぐ消えそうな候補地』を逆算。 さらに『往復がそこまで面倒でない距離』も加味した上で、『すでに戦場や拠点としては放棄された廃墟』を選定。 そこが廃教会だったのは、十分な床面積や立地があっただけでなく、この国の言葉で表すなら『げんを担いだ』ところもなくはない。 とくに神様を信じている方ではなかったけれど、廃教会には思い出があったから。 ともあれ埃っぽい礼拝堂には、それでも植物の瑞々しさと、土壌の生臭さが入り混じった匂いがした。 扉と窓を閉め切った上でなお、近隣で美味しそうな野菜がすくすく育ちつつあると感じ取れる、そんな匂いだった。 しかし今だけは、それを腐臭と血臭が上書きしていた。 上書きしたのは、彼女(サーヴァント)自身だったけれど。 床や長椅子のそこかしこに積もった骸骨や腐肉の残骸に、熾火が灯っていた。 火事として燃え移るには弱く鎮火に向かっており、しかし礼拝堂は真っ暗闇ではなくなる。 正面に据え付けられた大きな十字架が、常人の目にも分かるほど輪郭を露わにして壁に陰影をつける。 信心深い者であれば神様が見ていると解釈する広間で、相対するのは少女が二人だった。 「さすがに、そろそろ会話する気力ぐらいは取りもどしてくれないかな? 本当にボクにしては珍しく、いくらでも文句を聴くつもりで臨んだんだけど」 一人は不遜にも、十字架前の教壇の上に足を開いて立っていた。 黒いフードに黒いマスクを装着し、背中はマントで隠した明らかに隠密の装い。 マントの開口部から見える頭身の長い体躯は、筋肉の付き方に限れば男性的なまでに鍛えられ研がれていた。 フードの端に引っ掛かった髪の色は、雪国に棲む狼を思わせるような蒼銀髪で、見下だす眼光は冷えきったアイスブルー。 見下ろしているのではなく見下しているのではないか。皮肉っぽい口の利き方のみならず、眼光にはそう疑わずにいられないほどの氷の刃を宿す。 空間の支配者としての堂々とした立ち姿といい、反抗期の抜けきらない年頃の少女がただ威嚇するだけで、まずこの眼つきにはならない。 間違いなく歴戦の果てに獲得した凄みが、隠そうとすることなく発散されていた。 「まずは、ありがとう…………でも、何のつもり? 自分の小器用さを自慢したくなったの?」 返される言葉は、弱弱しかった。 後半になるにつれて険がこもったものの、精根の乏しさはごまかしきれていない。 声音の弱さを体現してあり余るようなみすぼらしさで、もう一人の少女は床にへたり込んでいた。 どうみすぼらしいかと言うと、ほとんど下着姿だった。 職場にて何日も徹夜して糾弾の矢面にも立つような過酷の極みを尽くし、自室に入るなり化粧落としさえできずに脱ぐもの脱ぎ捨ててベッドに倒れたような、そんな恰好。 最低限のインナーとホットパンツ。東京にて設定(ロール)を与えらえてから、着替え自体は低頻度で繰り返したものの、外出できる着衣を纏うことはこれまで無かったほどの気力の無さ。 そして顧みられていないのは、服装にとどまらない。手入れして晴天の下に出ればさぞかし燦然とするだろう、混じりけなしの純銀髪も、現状では荒れてボサボサした長髪を腰元まで垂らしている。 雪のような白皙の美貌だから白雪姫と名付けられたという童話を連想するような面差しは陰り、肌も荒れ、目元にはくっきりとしたクマがある。 この世界に堕ちてからの心労でこうなったわけではない。 聖杯戦争を告知されたばかりの時点、サーヴァントと出会った時からこのありさまだった。 「お礼から入るんだね。口先だけでも『このまま自滅するはずだったのに邪魔しないで』って怒られるかと思ったけど。 それか、ボクの自作自演なんだからお礼を言う義理はないって、もっと論理的に詰められるとか」 年頃の少女としてはあまりに生活を放棄し、葬者(マスター)としてはあまりに生きる気力を欠いていた。 そんな有り様なのに、廃教会で命を救われたこと、面倒を見てもらったことには礼を言うのかと。 生きるつもりが無いなら、サーヴァントの護衛に対して感謝をする筋合いもないはずだと追求する。 ――覚えておくといい。心に炎を灯せない奴は、この世界ではゴミだ。 かつて己のことをそう断じた者の評価を、そのまま引用するのも癪ではあったけれど。 そう言いたくなった気持ちも、己の葬者(マスター)の有様をみれば、まったく分からないではなかった。 こいつはこのままではすぐに死んでしまうと、そう確信させる少女が眼前にいるのを見下ろす心情だ。 外資系企業ベネリット・グループの総裁令嬢、ミオリネ・レンブラン。 書類上では本社がある外国の名門校に在学中となっているが、目下グループの進出が拡大しつつある国で見聞を広めて自律性をどうたらこうたらと紋切り型の理由によって、お忍び留学の真っ最中。 独立して生活したいという本人の要望により東京支社勤務の幹部にもこの事実は知らされず、日本の高校にも偽りの氏で学籍を置いている。 当面は慣らし生活として都内のマンションで三月中を過ごし、この国での新学期開始となる四月からは通学を始める予定。 設定(ロール)としては特異なものではあったけれど、手ひどい心的外傷を負うような経歴は見当たらない。 それがどうして、聖杯戦争をすることになった絶望に留まらない、全てを投げ出すことを選んだような無言の引き籠りに徹しているのか。 それを問い詰めるも、始めのうちは会話さえ成り立たず。 もしこれが霊体化のできない生身の人間であれば、部屋から閉め出されていたのではないかという断絶があった。 ぽつぽつとでも、受け答えが成立するようになったのは最近になってからだ。 「前に、命を助けられて、感謝しないといけない時に怒って……後から、後悔したことがあったから」 だから相手の意図がどうであれ、お礼だけは言わなければと思った。 失敗した苦々しい経験が、まずは感謝を優先させたのだと。 ミオリネはそう吐露して、教会に散らばった戦闘の残滓をゆっくりと見回した。 取り残された残骸は、礼拝堂内に押し込められていた骸骨(スケルトン)や屍食鬼(グール)の残骸だった。 冥界の亡者の中でも、完全に霊体からなる幽鬼(ゴースト)は霊核を射抜き、あるいは投擲武器で破壊したことで消滅を果たしたけれど。 霊体ではない亡者たちの一部は、ミオリネを囲んで手にかけようとしたその立ち位置のままに痕跡を散らかしている。 亡者たちがおいそれと外には出ないよう、床に染み込ませた鮮血――輸血パックや自身の血液などを混合した【魔力を含んだ生き餌の気配】――が、射殺ではなく焼殺によって倒された熾火によって浮かび上がる。 少女ひとりを閉じ込めて周囲をぐるりと囲めるだけの数を集めるのは骨が折れたけれど、冥界との境界線が近かったことや、『手負いの魔力リソース』の振りをして誘導も効いたことで、難度はそうそう厳しいものではなかった。 「……でも、やり方には怒ってるから。この裏切りクソアサシン」 「こーんなに面倒見のいいサーヴァントをつかまえて、裏切りクソアサシンとは失礼な」 「たった今、いくらでも文句を聴くって言ったくせに」 「今夜のことについてはね。でも、今まで世話してやったことまで忘れたとは言わせない」 毒舌鋭い少女は、少しの間バツが悪そうに眼をそらした。 こちとら十代の身空での召喚とはいえ、後悔しないように生きたプライドはしっかりとある。 聖杯にすがるべき未練もないし、何日にもわたって没交渉を貫かれたなら雇用の意思は無いってことで見捨てていいだろ……と思わなかったわけではない。 しかし生前の仲間たちであれば見捨てないんだろうなと、身内が抱いていた理想、夢、情に基づいて、それらに反目しないだろうと思われる程度に根気強く面倒をみることはした。 引きこもって生活を放棄した少女の衣食住の世話や、最低限の清潔感の推奨。 のみならず、『いや、お忍び留学なんて恋愛小説みたいな設定、他のマスターが知ったら怪しむに決まってんじゃん』と。 学籍を置かれた高校からプライベートが露呈しないかどうか、本当に実家の企業が接点(ロール)として介入してくることは無さそうかどうか、ひと通りを確かめる防諜まで果たした。 アサシンといっても、本職は影の傭兵(スパイ)だ。慣れない仕事では全然なかった。 なかったが、もう今までの働きだけで優良サーヴァント扱いされてもいいぐらいだと思う。 「……足を引っ張った、自覚はある」 「自覚なかったらキレてたよ。『こいつ生活力が無いこと自体は素だな』ってだんだん気付いたからねボク」 「でも、さっきは本当に切り捨てを選んだのかと思った。……自分が何をしたのかは分かってる?」 「適当な冥界のおばけで蟲毒を作ってー、マスターをひっ捕まえて、連れてきて、放り込んだ。その後にしっかり助けた」 ぽいっと。 無造作に、冷たく。 野良犬を放逐するように、生者を殺そうとするエネミーがわんさと蠢く礼拝堂の中央に投げ出した。 「私の学校に『氷の君』ってあだ名があったけど、あんたの方が似合うわよ。どのへんに『灰燼』とか熱い要素があるの?」 「さっき炎を使ったりはしたんだけどなー……」 灰燼のモニカ。 【灰燼】は、あくまでコードネーム。 初日に行った名乗りを、ミオリネはうずくまりながらも耳と記憶に留めていたらしい。 戦闘について話題が移ったことで、話は当初の文句に立ち戻った。 「もし私が、令呪を使ったりしたらどうするつもりだったのよ」 「君は現状零点のクソ女ではあっても阿呆には見えない。焦った時でも『自害しろ』までは言われないと思った」 それに彼女は、世話されることにバツの悪さを露骨にするぐらいにはお人好しだった。 ならばすぐに自害強制を選択肢に持ち出すことは無いだろうと読んでいた……と続けようとしていたのだが、『クソ女』まで言った時点でだいぶ沸点に近づいた感触があったので自粛した。 「そして、もしも『令呪を使ってまで助けてくれと望んだ』なら、それはそれで成果だ。言質が取れる」 「暴論よ……襲われてパニックになった時の証言を盾にするなんて、法廷じゃなくても通用しないわ」 「言うほどパニックじゃなかったと思うけど……ボクのことを『小器用』だって、しっかり見ていたじゃないか」 「あんなに武器を切り替えて戦ってたんだから、不器用だと思うわけないでしょ」 先ほど、彼女は『小器用さを』自慢したくなったのかと皮肉った。 戦闘力、実力という言葉を使わずに、器用という単語を使った。 それは正しい。サーヴァントが屍鬼、死霊などの亡者たちを多対一で倒せること自体は、そう珍しくはない結果だ。 英霊とただの幽鬼がどのように違うのか、サーヴァントについて知識を持った葬者ならば、その強弱関係には思い至れる。 しかし、聖杯戦争に参加することも抗うことも気乗りせずに、ふさぎ込んでいた少女が。 鉄火場に放り込まれた上でもルールを念頭において、『評価すべきは亡者を倒したことではなく、全方位から隙間なく押し寄せるエネミーに全て対応し、マスターを傷つけさせなかった器用さだ』と分析できていた。 それも一振りの斬撃で全てを一掃するような必殺技ではなく、銃器、小刀、投擲鉄球、放火装置等を次々に切り替え、跳弾さえも計算したように全方位を無駄なく迎撃する戦い方に、眼を瞠っていた。 たいていのことは、戦闘実技を含めてなんでもできる。器用万能に。 しかし表の英雄を張るような『圧倒的な正攻法』は持ち合わせていない。 自分が引いたサーヴァントの概略を、彼女は正しく掴んでいる。 よって、彼女には葬者としての心構えも、絶やしていない思考もある。 ただ、心に炎を灯してくれる大切な人の不在によって、足が竦んでいる。 「スレッタ」 名前一つ。 それを口にしただけで、目つきが変わった。 これまでにないほど鋭くなっただけではない。顔に熱が宿った。 「絶体絶命に見える亡者の群れを見て、最期の言葉がそれだ。 君が言っていた『花婿さん』の名前だろう?」 「馴れ馴れしく踏み込まないで」 花嫁。花婿。父親。花婿の母。花婿の姉。そしてガンダムという唯一の固有名詞。 要約すれば、花婿の母親から花婿を取引材料にしてほとんど脅迫のように利用され、間接的に大量殺人の罪を背負い、花婿の姉を取りもどすために仮称養母は更なる罪を重ねようとしている。 そこに、花婿がもう一度二人で立ち向かおうと迎えに来たのだと。 ――扉、開けてもいいですか? その言葉に応えて歩き出したところまでしか、覚えていないと話は途切れていた。 「あいにくと、もう聞かなかったことにはできない。 すがるのか、謝罪か、どっちでも意味するのは『もう一度会いたい』だから」 ミオリネに、もはや命運はここまでかとはっきり思わせる。 しかし、実際に傷を負わせることはしない。 だが敗死に向かって逃げるのかどうかを突きつけ、答えてもらう。 仕組んだのは、そういう段取りだった。 「……前に、言ったでしょう。私はもうこの先、間違えて人を死なせたくない」 もうこれ以上、『自分が進んだことで生まれた犠牲者』を一人だって背負いたくない。 それは愛する人を護ろうとして進み、何も手に入らず破滅していった少女が戦争に背を向ける理由だった。 彼女のように夢を語って躓いた挫折者なら見たことがあったなと、重なる。 おそらく、誰かを切り捨てて幸せになること自体に、不向きなお人好しなのだろう。 しかもミオリネは頭の回転が速い。だから先の先まで予期してしまう。 たとえ『彼女自身は誰も見捨てずに生きて帰ろうと足掻くことを選んだ』のだとしても。 足掻いた結果が出るまで、今もなお生まれている犠牲者は、『救えなかった命』になる。 もしも生還が叶わなければ、『無駄な足掻きによって多くの人を死なせた』という罪だけが残り。 もしも生還が叶ったとしても『その生還の為に、これだけの犠牲が生まれた』という命を背負うことになる。 どちらに進んだとしても、彼女にとっては正しくない結末。罪過の輪からは抜け出せない。 「でも、歩き出すつもりだったんだろう? 今度は花婿さんも失うかもしれないと分かった上で」 本当に間違えないために諦めるというなら。 『命懸けでお母さんを止めたいから手伝ってください』と言われても立ち上がらないはず。 間違えるかもしれなくても、結果から目を背けずに歩き出す。 その答えを、彼女はもう見定めている。 せっかく歩き始めたのに、花婿の伸ばす手にはたどり着けなかったことが花嫁に膝をつかせていた。 「だって……スレッタ一人だけに背負わせていいことじゃ無い……! それぐらいは、分かってる……!」 二人なら、たとえ間違えても結果を受け止める覚悟ができた。 罪も、想いも共有する家族として、地獄行きかもしれない選択でも進めた。 何も手に入らないかもしれなくとも、二つ以上を目指して進むことは間違っていないと信じられた。 本当に、『良いなそれ』と思った。 こちらを睨みつけ、涙よりも歯を食いしばる姿を見せてまで、『大切な人を残して逝くことになる』ことには嘆くだけの被害者でいるまいとする、その切実な境遇を羨ましがるほど恥知らずではないけれど。 花嫁も花婿も、一人で結果を引き受けるには臆病で。 二つ以上欲しがるぐらいには。 ……この世界で生き続けること、その全てを愛していた。 それができるぐらいに、目一杯の祝福をもう周りから受け取っていた。 「君の花婿の代わりになる、なんてことはできない。花婿になりたいとも思わない」」 「わざわざ憎まれ口まで添えないでくれる?」 「だからできるのは、最低限の担保。そして事実の指摘だけだ。 『今回の戦争の犠牲者も、君の家の結婚事情も、べつに君だけの責任じゃない』ってこと」 何も、戦うことを選んで死人が出ても、すべて『ミオリネのせいで死んだ』とまで言えないだろうが、と。 そんな当たり前のことも指摘できないようでは、こっちだって沽券にかかわる。それは前提として。 「……そうかもしれない。でも、何を担保するのよ」 大切なな女の子を想うあまり。 かつて『その子の身の安全』と引き換えに好きな女の子を傷つけ、遠ざけた女が。 『もう関係は終わったはずだった女の子が、そうじゃないと分かったから』本音では帰りたいと望んでいる。 なるほど。整理すると、改めて腹がたってきた。 なんでこんな拗らせた女の弱音を、鵜呑みにして死なせてやらなければならないのか。 だから、不可能任務に挑む。 「ボクは、引き受けたからには脱落(リタイア)しないものとして動く。 だから想定する結末は、聖杯を手にして帰るか、それ以外に生きる術を見つけて帰るかの二択だ。 もしも最後に一組になるしか道が無かったなら。最期にこんな冥界(せかい)をぶっ壊そう。 どうせ、姑を何とかするために聖杯を使おうとは思ってないんだろ?」 願いを叶えて間違いを無かったことにしよう、なんて都合のいいことは期待できない。 だったら、二度とくだらない戦争が起こらないよう、地獄の仕組みに対してだけは一矢報いよう。 つまりは『せめて最大限に八つ当たりしてから帰ろう』という身もふたもない提案。 花嫁も、ただただ驚いていた。 しんとした誰も何も言わない時間が流れる。 沈黙をおかずにいられないぐらいには、それは彼女にとって怪訝で、予想外のことだったらしい。 「英霊の座に還らないで、私に付き合って……それであんたには何が手に入るの?」 サーヴァントからの提案は、せめて最低限のケジメはつけられるんじゃないかという気休め。 そして、聖杯で願いを叶える心算がないのに、極力はマスターの望みに添って戦うという終結までの厚意だった。 さんざん悪態をついてきたアサシンが、そこまで付き合うと言ったのだから困惑もする……というのは読める。 読めるけれど、理由を問われても応えられない。 モニカにとって、それは最重要機密だった。 踏み込まれると、胸がざわざわする。 よくも触れたなと殺意さえ覚える。 心臓がうるさくなり、呼吸する空気の重さまで変わる。 モニカの生前、それは露見するだけで犯罪扱いが必定だった。 そして世の中のことが無くとも、大事だからこそ秘めると決めたものだった。 たった一人を例外に墓場まで持って行くと決めて、死後でも冥府でも伝えるほど安くない。 しかし 『察してくれ』で済ませるには世界観が違うことも分かっている。 「説明できるようなことじゃない。 でも、全く見返りが無いようにも思ってない」 教壇から跳躍して、ミオリネの近くへと着地する。 浮遊感は一瞬。 とんと両足が絨毯をとらえる。 靴が血だまりを吸った床を踏みしめた。 いくらか視線の距離が近づき、言葉を仕切りなおす。 「ボクのいた世界(ところ)には、とてもお堅い恋愛観しか無かったんだ」 決して目一杯の祝福はないと悟った上で、愛し抱くと決めた花束。 そんな彼女のことは、秘匿したままに。 「男同士、女同士で添い遂げるのは選択肢として全然なし。逮捕案件。 影の戦争でも、恋心を脅迫材料にされて破滅した人を何度も見て来たよ」 驚愕、というほどでは無いにせよ。 意外性をともなった動揺。 それがミオリネの両眼の瞠りように表れた。 女同士の恋愛、婚約が『全然あり』ではない時代、地域もあること自体は知っていたのだろう。 「もちろんそういう人達だって、好き好んで立場や居場所を失いたいわけじゃない。 想いを殺して、手堅く生きて、できそうにない選択を排除して、残ったものを大切にする。 人口に余裕のない傷だらけの戦後社会に合わせて、情熱の無いほどほどの人生を妥協する。 隠したい人は誰だってそうしてる。それなのにどうして、隠しきれなくて破滅する人が出てくるのか」 好きな人を想う気持ちを質にとって、あの人を守りたいならああしろ、こうしろと脅しをかけられる。 ミオリネにもそういう経験自体はあったからか、瞳がぶれる。 まったく。 もうこいつを見捨てて座に還っていいんじゃないか、まで思ったのは本当だった。 カッとなったのは、少しずつ断片的に明かされた来歴で、花婿を女の子だと察した時から。 『妥協していた』頃のモニカが見れば、嫉妬心から大嫌いになっていたことは想像に難くない。 女同士が全然ありで、『好き』と言っても良くて、自分の気持ちを伝えることに躊躇いがない。 しかも二人で最高のドレスを着てずっと一緒に、なんて告白返しがある。 羨ましいな……と、今は思わない。 しかし、幼い子どもだった頃はそうではなかった。 自分は、誰かと想いを分かち合えることがないまま死ぬのではないかと、怯えていた時期があった。 「誰だって、認められたい、祝福されたい誘惑があるからだ。 『お義母さん、娘さんを私にください』とか、そんな大げさなことだけじゃない。 一生に一度のプロポーズを成功させた会社員は、同僚に打ち明ける時に得意そうにしてる。 喫茶店で好きな人について『恋バナ』ってものをする女の子たちは、幸せそうにしてる。 君等の場合、花婿の保護者の所に乗り込んで、『姑の不始末は止める』って言いたいんだろう? いいじゃないか。きっとそれが叶ったなら、間違えた責任とか抜きにしても愉快だ」 「さっきから姑、姑って……人が死んでるんだけど……」 怒りよりも戸惑いによって、ミオリネは不謹慎だと言い返す。 お前は本当は、被害者だ加害者だとかを抜きに『お義母さん』と呼びたいんじゃないかと。 発想としてはあったけれど、まだ言語化を成していないもやもやを突かれたように言葉が止まる。 「でも、母親は死なせないつもりだった。それどころか、家族になるつもりもあった。 お母さんが大好きな娘を連れて説得しに行くなら、目的は排除じゃなくて和解なんだから」 夫や娘を殺された母親に対して、実質的に殺した張本人である仇の娘が家族になろうと誘う。 客観的に因果関係を並べればおかしい。 しかし誰だって、一緒にいたい人と一緒にいることを許されたら、きっと嬉しい。 それが許されなければ、義母どころか実の母だって居場所にならないことがある。 ――さぁ、お母さんのようにアナタも弾いてごらん? ――上手いだけで、魂が感じられない。 ――魂が目覚めるのは恋よ。しっかり異性と恋に落ちなさい。 ――男と女はそういうものよ。 ――学校に気になる男の子はいないのかしら? モニカは両親を、いわゆるクソ親だとか親失格だと思ったことはないけれど。 生まれ育った家はどうしても、居場所にならなかった。 一方で、タブーの感情を抱いていると察した上でなお、姉妹として扱ってくれる者達もいた。 家族になれる、なれないに、正しい答えなんて始めからなかった。 「もし君たちのやりたいことが叶ったなら、きっと希望になる。だから決めた」 「どんな希望?」 「いつか、地獄(せかい)が何にも縛られない場所に変わること」 格差があり、戦争があり、余裕がない世界で。 灯火たちは、痛みに満ちた世界であっても花を植え続けた。 次の世代では、荒野が花園に変わりますように。 彼女たちが生きて叶えたい望みも、きっとそれに近しいものだと思ったから。 「そんなもの、私達の時代にもきっと無い。先のことだってどうなるか分からない」 「それでいいよ。ボクが勝手に期待して、勝手に後押しするだけだから」 もうこれ以上秘したものを明かすつもりはないと、モニカはマントに手を入れた。 準備中に産直の小屋から拝借したトマトを取り出し、かぶりつく。 補給よりも会話を終わらせる目的で行った仕草だけれど、ミオリネはそれをしげしげと見ていた。 つい見入ってしまうだけの意味が、そこにあるかのように。 食べ終わったヘタだけをぽいと捨てた時、戦闘を終えてから初めて彼女が動いた。 立ち上がろうとする予備動作のように、姿勢を変えて切り出す。 「……明日には家の外、見て回りたい。ここが、どんな地球なのか分かるようなところ」 「つまり、新婚旅行の予行演習ね。りょーかい」 やっと生気が宿り始めていた声に、手間がかかったなぁと内心で安堵する。 さすがにお手をどうぞと立たせるのは花婿の仕事だろうかと迷っていると、ミオリネの方から伸ばしてきた。 ただし握ることを求めるのではなく、ストップと言うように手のひらをかざす形で。 「起こす手は要らない。自分で立つ。だからもう少し待って」 そこに一途さの証明を見たような気がして、なんだか悪くない心持になる。 だからモニカは、自分の魂が所属する家族たちが使う、最上級の賛辞を口にした。 「――それは実に極上だ」 【CLASS】 アサシン 【真名】 ≪灰燼≫のモニカ@スパイ教室 【性別】 女性 【属性】 混沌・中庸 【ステータス】 筋力D 耐久B 敏捷A 魔力E 幸運D 宝具B 【クラス別スキル】 気配遮断:C 自身の気配を消すスキル。 隠密行動に適している。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、 攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 アサシンのクラススキル。 諜報(劣):B 気配を遮断するのではなく、気配そのものを敵対者だと感じさせない。 ただし直接的な攻撃に出た瞬間、このスキルは効果を失う。 アサシンはもともと養成学校の落ちこぼれ生徒『のみ』を集めて編成された特殊部隊に属しており、十代の時点での資料が裏社会にもほぼ出回っていない。 これに伴い、諜報の効果が働いているうちはサーヴァント反応やステータス表示も確認できなくなる。 【固有スキル】 破壊工作:B 戦闘を行う前、戦闘の準備段階で相手の戦力を削ぎ落とす才能。 生前はチームのエースとして味方の護衛、敵暗殺者の撃退などの戦闘における功績が多かったが、工作活動やゲリラ戦術など潜入任務に際して有用となる術義は一通り履修している。 義悪趣味:A 一流のスパイがそれぞれ異なる『詐術(心理的盲点をついた騙し討ち)』を持ち合わせる世界における彼女の詐術。そして性格的個性。 まさかここまでするはずがない、言うはずが無いという振舞いで敵にも味方にも真意をはぐらかす。 己の『好きのかたち』を社会的タブーであるがゆえに秘して人と距離を置いてきた少女は、好意を分かりやすく、十分に伝わるように伝えるには捻くれすぎた。 局面しだいでは味方に不和の種を植えてしまうデメリットスキルだが、信頼する相手との間で十全に機能すれば『つい宣告まで険悪そうにしていた者同士が阿吽の呼吸で動いている』などのような『騙し』が成立する。 焔の薫陶:B 心を燃やし、疲労のピークであっても過集中を維持し続ける。いわゆるゾーン状態。 そこに『焔』という世界最高峰の隠密集団の一人から秘伝された神速の足捌きと、恩師から学び取った回避術を複合させることで、たとえ多人数からなる包囲掃射の真ん中に放り込まれても、一切の致命傷を負わずに全弾やり過ごした上で反撃を可能とする。 戦闘続行を『瀕死の傷でも戦闘を可能にする』スキルだとすれば、焔は『致命傷だけは避けながら戦闘を続行する』スキルに相当する。 ステータスの耐久:Bを成さしめるのは、頑健性ではなく回避性能によるものである。 【宝具】 『氷刃を燃やし尽くす灰燼(モエハナヤグトキ)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:五感の認識範囲すべて 最大補足:- 特技:盗撮。 この自己申告は正しくとも正確ではない。 正確には『光屈折・運動エネルギー・位置情報・地理条件等のすべてを考慮に入れて空間を捉える人間離れした情報処理能力』と『処理した情報のすべてに死角なく対応できる超精密動作』である。 宝具としての要点は、五感でとらえた断片情報からフィールドにあるすべての情報を読み取ること。 戦闘ではこれを利用して、『意識の間隙をつく、あるいは死角を的確についた攻撃を、戦場の破壊や跳弾なども考慮しながら手数と敏捷性に任せて間断なく叩きこみ、一方で自身と味方に向けられた攻撃は死角なしに対応して防ぎきる』という戦法をよく使う。 またレンズの光屈折を利用した収斂発火を片手間に仕掛けるなど、破壊規模を拡大させる手管にも長けている。 それらが結果的には認識される前に盗撮を成功させる特技となって表れているため、光を用いた攻撃にたいして初撃のみの命中率プラス補正を得る。 (ただし近代に相当する時代の英霊であるため、レーザー火器、ビーム兵器のような高火力の光兵器は持ち合わせていない。単純な腕力では原作中でも力負けする場面があることも含めて、火力不足が難点) 『焔より愛をこめて贈る灯火(SPY-ROOM)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:- かつて世界大戦を終結に導いたスパイ一家、『焔』。 その唯一の生き残りが、戦後に焔を継ぐチームを育てるべく召集した『スパイ教室』があった。 不可能任務専門チームのエースであるだけでなく、学舎で学んだ生徒の一人。 その逸話と、彼女独自の『実演されたことは全て記憶して精密に再現する特技』が複合したことによる学習能力。 魔力や固有の体質に依らない『技術』のみを要求される体術、実技であれば、あくまで身体能力が許す限りにおいて初見で模倣して扱うことが可能になる。 スキルとしては専科百般、皇帝特権に近しくも、『他者から学び取る』形で習得することに独自性を持つ。 【weapon】 秘武器≪付焼刃≫……ただの可燃性薬品をしみ込んだ紙吹雪と、携行型の照明灯。 しかし飛散した紙片の全てを狙った位置に飛ばせる精密コントロールと、レンズの多重屈折を切り替えて光の密度を狙って操る計算能力により、認識範囲のありとあらゆる座標にピンポイントの収斂発火を起こす火器。爆弾の遠隔着火にも用いられる。 基本的には奇襲用の隠し武器であるため、強者と認識した相手にしか使わない。 他、拳銃、小刀、投擲鉄球などの近接武器も様々扱う。 変装道具や生前の仕事道具も必要に応じて現出可能。 【人物背景】 不遜な捻くれ者。18歳時の姿で召喚。 熱情の欠落をきっかけスパイ養成学校を落ちこぼれて、『スパイ教室』に入校。 咲き狂う花園に心乱されて、氷(なまくら)の刃は溶け落ちた。 かつて不死身と謳われた女スパイの薫陶を受け継ぎ、燃え尽きるまで戦った灰燼。 【サーヴァントとしての願い】 不幸は幸福をくれた。 だから後悔はしていない。 【マスターへの態度】 生活力皆無のクソ女で、甘さを捨てられない馬鹿。 せいぜい『お幸せに』って言わせろよ。 【マスター】 ミオリネ・レンブラン@機動戦士ガンダム 水星の魔女 【性別】 女 【マスターーとしての願い】 生還し、スレッタとともにクワイエット・ゼロを阻止する いつか二人で地球に行く約束を果たす 【能力・技能】 経営学部の優等生。 急造で立ち上げた会社を経営できるだけのリーダーシップ、経営手腕、戦略眼、交渉力。 また勉強すること自体を得意としており、本分ではない機械の取り扱いなどもマニュアルを読めばすぐに覚えてしまう。 【人物背景】 魔女の花嫁。 魔女と出会うまで他人を信用しておらず、言葉も足りないことが多かった。 しかし芯には魔女を惹きつける譲れない優しさを持っている。 【方針】 ぎりぎりまで誰かを見捨てないまま生き残る 【サーヴァントへの態度】 不遜な態度には、学園でのセセリアやフェルシー達のような気に食わなかった女生徒を思い出す。 言動に腹がたつこともあるし、それなりに貸しを作ったことを重く感じてはいるが、ミオリネの根っこがお人好しである為に召喚後にずっと世話になったことには内心で素直に感謝している。
https://w.atwiki.jp/meidaibungei/pages/495.html
2008年07月21日(月) 16時11分-K 確かなことなど何もなかった。実際、世の中には確かなことより確かじゃないことのほうがずっと多くて、このことは世の中に非常にまれな確かなことのひとつなのだが、このことの手近な実例としては、この文章を書きながら、彼女の名前も知らないことにいまさらながら気づかされたりしている。 彼女は泣かない子だと思われていた。仲の良い友達が引っ越してしまったときも、飼っていた子猫が帰ってこなかったときも、大好きだった母親が事故で死んでしまったときも、涙を見せなかった。彼女は産まれたときでさえ、声を上げなかったと聞かされた。ある人はそれを彼女の強さととったが、それは間違いである。ただ、彼女は呆然としていただけなのだ。その悲しみをその小さな体で受け止めることができなかっただけなのだ。だから彼女には、体と心を空っぽにして、嵐が通り過ぎるのを待つしかなかったのだ。そしてそれから数日から数週間ほど後に、ようやく受け入れる準備が整ったときに、彼女は涙を流すことができる。それがいつなのか彼女にも分からないため、突然の涙にいつも慌ててしまう。一人でいるときはいいのだが、他人といるときはそれの訪れを感じたときに、急いで一人になれる場所を探して、これはあの悲しみなのだ、ようやく来てくれたのだ、と自分がまだ悲しむことができることに少し安心しながら、静かに涙を流す。悲しいことがあってから、悲しみが訪れるまで、彼女はいつも少し不安なのだ。 しかし、そのときは少し勝手が違った。それは駅のコンコースを歩いているときだった。今までにない、大きな悲しみが彼女の元に降り立ったのだ。どこか近くの手洗い所に避難する暇すら与えられなかった。彼女はまず立ち尽くし、そしてどうにかこうにか道の端まで行って、そこでうずくまった。両手で顔を覆い、何とか声を上げないように必死に努力して。しかしそれでも嗚咽の声が指の間から漏れてしまう。このままでは叫びだしてしまいそうだ。彼女は壁と一体化しようとするオノレ・シュブラックのように壁に身を摺り寄せながら、必死に思い出そうとした。これはいったい何の悲しみなのか。いったいこの悲しみはどこからやってきたのか。しかし彼女には思い当たる節がない。このような激烈な悲しみを彼女は感じた覚えがない。どんな大切なものをなくしたときも、どんな大切な人を失ったときも、これほどの悲しみの波が寄せ来たったことはなかった。涙の奔流に翻弄される木の葉のように、彼女には何もできなかった。 彼女は知らなかった。そしてこれからも知ることはない。その涙が、彼女が生まれたときに流すはずだった涙であることを。暖かい場所から、この冷たい、寒い場所へと出てきた苦痛と、この世に生まれることにより、これからは時間をかけて何もかもを失うことしか残されていないことの悲しみとの、涙であることを。彼女は知ることができなかった。彼女にはどうしようもなかった。 私にもどうしようもなかった。私は彼女を知らなかったし、ここに書いたような彼女の来歴も知らなかった。これからも永遠に知ることはないだろう。私はただ、駅のコンコースを歩いていて、片すみに蹲る彼女を目にとめただけだったのだ。私は一瞬心配したが、すぐに自分の用を思い出し、早足で歩き去ってしまった。私にはどうしようもなかったのだ。 実際、世の中にはどうにかしようがあることよりどうしようもないことのほうがずっと多くて、このことは世の中に非常にたくさんあるどうしようもないことの例の一つであり、またこのことはどうにかこうにか確かだといえそうな例の一つでもある。 本当にこんなの書いている場合じゃないんだがな
https://w.atwiki.jp/wikisol/pages/263.html
姐さん、いつまでもついてきまっす!!! ともよ(Vo) けんた(Gt) くますけ(Gt) Sけん(Ba) だいき(Dr)
https://w.atwiki.jp/deadtwitter2/pages/278.html
「た、大変だ! 敵襲!! 敵襲ーっ!!」 あなたが拠点で休んでいると、そんな叫び語と共に大きな音が響く。 もともと立地・資源・防壁に恵まれ自警団も傭兵も少なかったためか、人々は成す術も無く逃げ惑っていた。 「ギャハハハハッ! こーいう所は壁破っちまえば後は脆いんだよなァ!!」 しかも悪いことに、拠点を襲撃して来たのは知能を持つゾンビ。 この手のゾンビは異常成長を繰り返し強力な力を得ていることが多く、 事実、このゾンビも通常の20倍はあろうかと言う巨躯を備えていた。 「どこまで逃げても無駄だ無駄ァー! 全員まとめてオレサマの餌になりやがれ!!」 逃げ惑う人々を悠々と追い詰めていくゾンビ。 しかしそんな中、逃げるどころか微動だにしない少女が一人。 広場の中央で座禅を組み、目を瞑って集中している。 「……あァン? 何だコイツ…… その余裕、メイデ――いや、違ェ! 何も感じねェ! って事はただの人間か? ギャハハハ、無抵抗だからって楽に殺してもらえる訳じゃないんだぜ?」 そう言いながら、ゾンビは少女に手を―― 「お゛ッ!?」 ――伸ばした瞬間、バチン! と言う大きな音と共に弾かれる。 「な、何だテメェ! いったい何しやがっ……」 「……ああもう、五月蝿いっ」 バチン! 「あばびッ」 ゾンビが少女に顔を近づけた瞬間、その顔が爆ぜた。 上半身を失ったゾンビは、そのまま崩れ落ち動かなくなる。 「全く。折角集中していたと言うのに……あら?」 少女はそこでようやくゾンビの存在に気付き、目をぱちくりとさせる。 「……これは酷い。一体誰がこんな事を」 「あんただよっ!!」 住民たちからの総ツッコミを受け、少女はばつが悪そうにその場を立ち去ろうとする。 「い、いやいやいや! ちょっと待ってくれ!」 「そうよ! あなた人間なんでしょ? さっきのどうやったの!?」 「何にせよ凄いや! ここに残って拠点を守ってよ!」 直後、住民たちから浴びせられた賞賛と期待に、少女は殆ど表情を変えなかったが―― 「いえ、その。私は忙しいので。そういうのはちょっと。」 ――その無表情から発せられたのは、これ以上無いぐらい淡白なお断りであった。 「忙しいって何だよ!」 「そうよそうよ! 今日だって腕立てと座禅しかしてないじゃない!」 「お願いだよ! この拠点を守って!」 「あー……」 少女はきょろきょろと周囲を見渡し――そして、ふとあなたに目をつける。 「すみません。ただいま修行の旅の途中でして。 故郷を守る為に戻らなければならないのです。 あ、これ弟子です。 ね。 そうですよね? はい。そういうわけで。ええと。さようなら」 もはやただの逃げ口上であり、住民の返事もあなたの返事も待たなかった。 気付けばなたは、この少女の逃走に巻き込まれ一緒に拠点を脱していた。 「……利用してしまって申し訳ない。 あ、私……タオと申します。では、今後ともよろしく」 聞き間違いだろうか。 確かに逃走のダシにはなったが、この少女――タオとは先ほどまで無関係だった筈だ。 「? どうしました、弟子。いえ、名前を聞いてないので便宜上そう呼びますが。」 なのに、いつから本当にこの人の弟子になったのだろう。 「黙っている、と言うことは特に何も無いのですね。 では往きましょう。この先に美味しい茶屋があるのです」 ――どうやら、彼女を止める事はそうそうできないらしい。 いつの間にかメイデン:☆☆☆タオの弟子になった!
https://w.atwiki.jp/akatonbo/pages/264.html
いつかやる男 作詞/7スレ67 洗え 石鹸 この世の垢を 食らえ 鉄拳 社会のゴミども 俺は 卓見 カス共いいか 読めよ 学研 科学と学習 だって俺っち凄いんだもん 本気出したらお前ら死ぬよ だって俺っち偉いんだもん ママもばあちゃんも言ってたもん 鏡で 発見 パンツのシミを ついに 立件 覗き見疑惑 失せろ 国権 俺が全てだ それは 越権 言い過ぎました だって俺っちまだ50パー むしろ20パーくらいかも だって俺っちまだ若いし 親も働いてるし余裕っしょ 来年で35歳ー